『ゲット・アウト』――2017年に観るべき衝撃コメディホラー
「レイシズムブラックコメディーホラー」とでも呼ぶべき、トランプが大統領になった2017年に観るべき衝撃作だった。そもそも、トランプが大統領じゃなかったらこんな作品生まれなかったかもしれない。
何を書いてもネタバレだが、コメディーというか風刺的発想を元に本を書いたら、ホラーになってしまったという感じ。
まさかの展開含め、全場面、演出次第で完全にコメディーにできてしまう。コメディーとホラーは表裏一体。監督はコメディアンらしく妙に納得した。
-----------------------------------------以下ネタバレあり。
黒人の男と白人の女による恋愛というある種の幻想、「オバマに投票している」と言いつつ黒人を使用人にする一家(これには『悪魔のいけにえ』ばりに異常な思想によるものだということが分かるわけだが)、黒人を肉体=「器」として評価しつつ、心=「中身」を顧みることがない身勝手な差別意識は、スポーツ界を席巻する黒人アスリートへの視線と同じか。
にしても、日本版ポスターのように主人公が目をひん剥くシーンあったかな。
これのインパクトが強過ぎて興味が湧いたのもあるけど、やり過ぎかなあ。