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『コンテイジョン』――パンデミックは絶え間なく進化する

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コロナウイルスの流行で、スティーヴン・ソダーバーグコンテイジョン』が再び脚光を浴びている。ネットフリックス等で軒並みランクアップしているらしい。

 

コンテイジョン』は未知の伝染病のパンデミックの発生から終焉間際までをグローバルに、冷徹に描き切った作品で、ここにありとあらゆるシミュレーションがあるといっていい(連日報道されているクルーズ船のようなレアケースは別として……)。
ちなみにパンデミックもので記憶に残っているのが95年の『アウトブレイク』だが、エボラを下敷きにしているだけに見た目の恐ろしさと陰謀およびアクションに特化した作品だった(めっちゃ好き)。


また、『コンテイジョン』は『トラフィック』『オーシャンズ11』のソダーバーグならではだが、マット・デイモングウィネス・パルトロウマリオン・コティヤールローレンス・フィッシュバーンケイト・ウィンスレットブライアン・クランストンジュード・ロウ~と、超豪華キャストを惜しみなく使いこなした傑作群像劇でもある。


自分が初めて観たのは2015年のエボラ騒ぎの時だが、本作はコロナウイルスの騒動を予見して撮られたわけではない。着想のきっかけは2003年のSARSの流行だろう。ただ、2020年においてデマの恐怖のパンデミックは繰り返し、SNSにより悪化しているともいえる。

ソダーバーグらしいカット割りの早さはパンデミックの爆発を思わせ、カメラは執拗に感染やウイルスの付着を「可視化」させる。コロナウイルスに限らず冬に観たら吐きそうになる描写だ。

超豪華なアンサンブルキャストは与えられた役割を全うする。感染ルートを封鎖し、その根をそれこそ命がけで探る者。CDCでワクチンを作る者、その指揮を執る者。我が子を必死で感染から守る者。故郷を守るために要人を誘拐してワクチン投与の優位に立とうとする者。そしてデマを流して一部の信者を囲い込み、株価まで操作する者――。
その役割と仕事の徹底ぶりと、時折みせる逸脱双方に救い(と地獄)がある。
ローレンス・フィッシュバーンの甘さとか、秀逸な(元レッチリ)クリフ・マルティネスのスコア以外で唯一流れるU2「All I Want Is You」とか。

 

 

 

コンテイジョン (字幕版)

コンテイジョン (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
アウトブレイク (字幕版)

アウトブレイク (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video