ピーター・ジャクソン版『キング・コング』を振り返る
『キングコング:髑髏島の巨神』を観る前に、以前に書いていたピーター・ジャクソン版について振り返りたい。
『髑髏島の巨神』はこの先に控えているゴジラとのガチンコ対決を前にしたリブートとされているけど、予告編見るまでは乗り気じゃなかった。
なぜなら、当時(っていうほど昔じゃないと思ってたら12年前なのね……)の最新技術を駆使して、1933年版へのリスペクト溢れる一大巨編が作られているからだ。
下記は2008年くらいに書いたものを再編集したものです。
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ファンタジー嫌いが災いして『ロード・オブ~』3部作を未だに見てない自分にとっては、コングが出てくるまでの冒頭1時間はどうやり過ごせばいいのか分からんほど退屈だったけれども、それ差っぴいても映画館で観ておけばよかったという快作だった。
リメイクという時点で、あの誰もが知っている結末を変えることなんてできないし、何より原作の熱狂的なファンであるピーター・ジャクソン自身が許さない。
だから彼は、現代のCG技術と原作への異常な愛情で以って、思いっきりスカル・アイランドでの冒険を膨らませてみせた。
とにかく凄まじきイマジネーションと意志の力が縦横無尽に焼き付けられていて、観客はこの息つく間もない怒濤のスペクタクルに身を委ねればいい。
1933年版の、アンのコングへの思いというのは、恐怖と畏怖と憐れみがない交ぜになったものだった。
が、ナオミ・ワッツ扮する本作のアンは、もう恋する乙女だ……この設定はストックホルム症候群的なものなのか、ゴリ専ということなのか。
『キングコング:髑髏島の巨神』はこちら。IMAX 3Dで観たらめっちゃ楽しそう。