『言の葉の庭』ーー『君の名は。』前夜と新海誠の妄想譚
昨晩、ずっと観たいと思っていた新海誠の中編『言の葉の庭』がまた地上波で放送されていたので観てみた。
この画像の世界観に、個人的に『君の名は。』より親和性が高いのではと思っていたのだ。じめじめする今の時期にもぴったりだ。
実写と見紛うほどの精緻で美しい新宿や御苑の光景、途中で物語の構造を激変させるネタばらし、男女のモノローグの掛け合い、古典の引用などなど、『君の名は。』を形作る要素が散りばめられていて、その世界観にすぐに没頭できた。
(ただ丁寧な作風だっただけに、あの性急なトレンディ(死語)的展開にはやや違和感があった。でも最終的に穏やかな終わり方で安心したというか)
一方、本作は歳上でしかも〇〇という、少年からしたら妄想丸出しの恋、足を採寸するシーンの艶めかしいエロティシズム、謎めいていて、不倫と嫌がらせでメンタルを病んだ女性という、『君の名は。』にはないある種新海誠の純度の高い変態性というか、男なら描いてみたいシチュエーションがふんだんに盛り込まれている。
あと、エンディングに流れた秦 基博の大江千里「Rain」のカヴァーはめちゃめちゃ素晴らしい出来(秦の曲以上に刺さる)。
てか、大江千里のことをよく知らないので興味湧いてきた。
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