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『彼女がその名を知らない鳥たち』――この清濁のエクストリーム感

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蒼井優阿部サダヲのW主演という、あくまで個人的にだがキャスティングに魅かれるものが全く無かった反面、『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』と快作を飛ばし、来年には既に『サニー/32』『孤狼の血』という二つの話題作の公開を控えている、今邦画界で最も勢いのある白石和彌が監督というだけで観に行った『彼女がその名を知らない鳥たち』

元カレ(竹野内豊)を引きずる女(蒼井優)が、女を一途に愛すること以外取り柄の無いような男(阿部サダヲ)と一緒に暮らしているが、女は男を受け付けない。それどころか、元カレを思い出させるような男(松坂桃李)と出会ったことにより、再び過去の記憶と交錯しながら過ちを犯していく。という物語。

原作がどんな内容か知らないが、さすが白石監督といった内容だった。
阿部サダヲ演じる男の、いつぞや観た韓流純愛映画のような清濁のエクストリーム感(たぶん『ユア・マイ・サンシャイン』HIVに感染した売春婦と純朴な男の恋愛)。
これを純愛とみるか狂気とみるか。ネタバレになるのであまり書けないが、ミステリーも入り交じった、単純な恋愛映画ではないので、その判定がよく分からないままに、ただただ男の無償の愛に感動して泣いてる人もいれば、呆気にとられる人もいたのである……。

 

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そして、蒼井優松坂桃李の絡みは、二人のこれまでのイメージをぶっ壊す異常なエロさでびっくりした。
なんだあの舌入れキスは(笑)。これもキャスティングの勝利といえる。
ああやって胡散臭いタクラマカン野郎」に引っかかって、大事な愛に気付けない女、本当いるよね……。

 

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