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『ブレードランナー2049』――Why not me

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『ブレードランナー2049』ようやく観た。睡眠不足と風邪で2時間40分、予想通り非常につらい鑑賞になった。
1カット1カットが長く、まるでタルコフスキーのように絵画的なロングショットが続くため、序盤から中盤にかけて別の記憶=夢を何度も刷り込まれそうに……。

前作も観直した上で観たけど、レプリカントと人間、そしてAIを分かつものは何か。物語が進行するにつれ、その境界線はさらに曖昧になって行く。
そもそも、デッカードレプリカントなのかすら結局曖昧なのだから、「あの子」はレプリカント同士の子なのか、人とレプリカントのハーフなのかすら分からないままだ。

そして、副題にも入れたが、核爆発で廃墟となったラスベガスでライアン・ゴズリング兄貴扮するKはデッカードと会い、それまでのアイデンティティを揺るがす秘密を知ることになる。
Kに運命と物語を思いっきり吸わせ、とっても思わせぶりな流れだっただけに、このちゃぶ台ひっくり返しっぷりは相当ひどくて新鮮だった。

Kはまさにオアシス“Supersonic”の有名な一節「I Need To Be Myself I Can’t Be No One Else」のごとく、最後の戦いに臨む。そのシーズンの主役だったけど日本代表には選ばれなかった選手みたいな立ち位置で……。

 

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荒涼とした『ブレードランナー2049』の世界で救いだったのは、アナ・デ・アルマスだろう。『ノック・ノック』(写真右)のサイコパスビッチと同じ女優だと言われないと気づかないほどかわいかった。まさに悪魔から天使。

スパイク・ジョーンズ『her』ともろ被り(パクリ?)なあの合体シーン然り、近い将来確実に流行るのはこんなパーソナイズできる機能を持つバーチャル恋愛AIなのだろう。レプリカントはきっと面倒くさい(笑)。